IBR(Image Based Rendering)に基づき、全方位画像列を固有空間法で圧縮することで広域空間のリアルタイムレンダリングを行う。圧縮からの復元は、固有画像と重み係数との積和演算で復元することができ、この演算をfragment-shaderで処理することで高速に復元できる。
図1:全方位画像
全方位画像列は同じオブジェクトをあらゆる方向から撮影したものであるから、
一般的に冗長である。そこでIBRに基づいた効率の良い圧縮を考え、
全方位画像を進行方向鉛直横向きに投影した画像(図2)を用いた。
図2:圧縮対象画像の例
図2の画像をn×mのブロックに分割し、それぞれのブロック画像に対してトラッキングを
行い、得られたブロック画像群に対してKL展開を行う。このブロック画像群は、
精度の良いトラッキングによって、類似した画像群となるため高い圧縮率が期待できる。
また、トラッキングはEPI(Epipolar Plane Image)とブロックマッチングを組み合わせる
ことで精度を上げることができる。
図3:圧縮方法
図4:レンダリングアルゴリズム
レンダリングはn×mそれぞれ全てのブロック画像を復元することで実現される。
このときの重み係数は視点と板との角度に対応するパラメータとなる。
また、図4の左部分の処理(積和演算)をfragment-shaderで行うことで高速に復元、
レンダリングできる。図5はレンダリング結果である。
図5:レンダリング結果
Publications
- 佐藤亮、尾池治郎、川崎洋、小野晋太郎、池内克史,
"車載カメラ映像の固有空間圧縮およびGPUによる 実時間復元
による写実的ドライビングシミュレータの実現",
第6回ITSシンポジウム2007,pp.125-130,2007
- 佐藤亮、三上武志、川崎洋、小野晋太郎、池内克史,
"IBRに基づいた仮想都市のリアルタイムレンダリングおよび
データ圧縮の効率化手法の提案",
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2007),pp.1087-1092,2007
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